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尊敬語から尊重語へ/名言作家養成塾 

ブロック A
 敬語は身分制度に伴う「上下関係」の誕生と共に成立したそうですが、時を経(へ)て価値観が大きく変化した現在、耐用年数を過ぎたせいからなのか…使い勝手が悪くなってきている気がします。相手を持ち上げる「尊敬語」、自分が謙(へりくだ)る「謙譲語」、両者の中間にあって便宜(べんぎ)的に代用されることの多い「です・ます」などの「丁寧語」

 しかし今、細(こま)かい分類はさておき…これら三種による体系(敬語 - Wikipedia)だけではフォローしきれない想定外の事態が発生しているのです。まず、ある意味で敬語を使うべき対象の特定には好都合だった身分制度が事実上なくなったことにより(象徴天皇制は除く)、ただでさえ複雑化した人間関係や社会様式の最中(さなか)、人々はケース・バイ・ケースで言語の微妙な使い分けを余儀なくされていると言えます。

 単純に、年長者や初対面の人と接するときだけ敬語を話せばよいというのなら特に問題はないのでしょうが、その混乱ぶりは例えば…アメリカ的な市場主義経済の導入と進展に伴い、一般の企業文化において「年下の上司」という厄介な(?)存在が所かまわず次から次へと現れ始めたことに象徴されています。

 かつての終身雇用年功序列といった会社制度が通用せず、実力や成果だけが問われるようになると、年下だし…でも上司だし…一体どんな言葉遣いをすればよいものか…という不明瞭な事態が発生してしまうことは、想像に難(かた)くありません。

 そんな敬語の風通し(?)の悪さを敏感に察知してか、いわゆる「イマドキの若者」たちは、彼らなりの対策として早々(そうそう)に「タメ語」普及へと努(つと)めたわけですが、都心のアパレル・ショップでカリスマ店員と呼ばれる人たちが(同年代とはいえ)お客様に向かって馴れ馴れしくタメ語で話す姿は、フレンドリーにも程(ほど)があるとして世の多くの人々の度肝(どぎも)を抜いたに違いありません。やはり、人が本質的に対等であるとはいえ、年齢や地位・立場・関係性などを全く無視した言葉遣いには、ぎこちない敬語以上の違和感を覚えるのでしょう。

≫≫ 以下のブロック(↓)に続く


ブロック B
 そこで、筆者【拾壱】が大胆不敵ながらも提唱したいのは、新しく「尊重語」という言語体系を確立することです。「尊敬」には、「優れた行為や立派な人格を自分には及びがたいものとして、その人に従っていきたくなるような気持ちになること」という意味がありますけれど、他方の「尊重」はと言えば「価値あるもの、尊いもの、犯すべからざるものとして大事に扱うこと」という意味を持っていて、相手の素性(すじょう)と関係なく『人間そのもの』に対する敬意を素直に表明したいとき非常に便利です。

 若者たちが敬語についての議論で盛(さか)んに繰り返すのが「尊敬していない相手に敬語は使えない」という主張で、これらの狭量(きょうりょう)な敬語に対する認識や観念を無理やり矯正(きょうせい)するのも一つの手ではありますが、言葉が生き物である以上、敬語そのものが制度疲労(?)を引き起こしているかもしれない…という点を加味すれば、ここは思い切って「尊重語」を作ってみるのも悪くないのではないかと。例えば、前出の厄介な「年下の上司」に対して何か返事をする場合には、「そうですね」と「そうだよね」を掛け合わせた「そうだすね」を使う…みたいな?

 いやはや、いくら筆者【拾壱】が言語学者ではないにしても、ちょっと悪ふざけが過ぎたかもしれません。ですが、言わんとすることがゲストの皆様に何となくでも伝わったとすれば、それだけで十分です。おそらく、若者たちが図(はか)らずも「リスペクト(尊敬・尊重)」などというカタカナ語を多用するのは、良くも悪くも尊敬という言葉に付きまとう堅苦しさや照れ臭さを取り除こうとする彼らなりの智恵なのだと思います。もしかすると、敬語は身分や立場の違いとは別に、少しずつ人間自体に対する敬意を表すものとして使われる時代へ突入し始めたのかもしれません。

 ちなみに、筆者【拾壱】は「なぜ敬語を使うのか?」と尋(たず)ねられたら、即座に「美しい言葉だから」と答えるようにしています。美しい言葉には、美しい精神が宿る。敬語の使い分け論や児戯(じぎ)に等しい「尊重語」の提案はさておき、このことだけは不変の真理ではないでしょうか。【完】

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